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yakkeiトピックス 大学入学共通テスト。記述式の勉強は無駄ではなかった

大学入試センター試験よりも難易度が高くなった?

 入試直前になって大学入学共通テストの中で記述式試験の延期が決まり、高校3年生には安心感が広がったと思います。
 しかし記述式に備えて準備してきた高校2年生には負担が残りました。その準備時間が他の科目の勉強に振り向けられたのではないかという不満もあると思います。

 記述式は延期になりましたが、「英語の出題が英文になる」「英単語の量が増加する」などセンター試験よりも難易度が増したと感じられます。
 記述式を学んで文章表現の難しさを感じた人が多かったのではないでしょうか。
 文章を読む読解力も重要です。数学でも国語力が重要です。出題の意図を正確に理解し、解答するには国語力が必要だからです。数学のプレテストで記述式の正答率が低かったようです。「設問を読み、内容を理解して文章を作成する」。そこに時間がかかり正確な答えが導きだせなかったなどの反省点があげられています。
 とくに数学では、答えを書くだけでなく、問題を解く流れを書いて説明しなければならず、なんとなく答えを導き出せたということがありません。

自分の考えや成果を正確に伝える文章力

 国語力は、他の科目の基礎ですから、記述式の勉強は無駄ではなかったと思います。
 記述式の導入で「国語教育が強化できる」「表現力や思考力が養える」との考えもあり、物事を記述する力を養成することは大切です。

 例えば、研究者となって研究成果を論文にまとめたり、専門薬剤師になるとき研究論報2報の提出が求められます。大学教授の研究論文を読んでも国語力がわかります。研究論文は英語が基本ですが、日本語の論文もホームページ上にたくさん公表されていますから、時間があれば読んでみてください。

 中には「、」で繋いだ文章がみられます。「、」で繋いで、1つの文章が30-40行もあるケースは例外ではありません。読んでいくうちに何がいいたいのかわからなくなります。
 自分の研究成果を正確に知ってほしいと考えるなら、もっとわかりやすい研究論文を作成するべきです。
 研究職の就職活動をするとき、研究概要発表が課されます。研究概要は、研究内容を面接官に紹介するもの。面接官の多くは研究所で働く研究者ですからその内容が把握できます。しかし、採用の鍵を握っているのは人事担当者です。多くは文系学部出身者であり専門知識に乏しい人たちです。
 研究内容の重要性や将来性を理解してもらう、わかりやすい研究概要を作成してこそ内定につながります。記述式の勉強は、将来に役立つもの、無駄ではなかったのではないでしょうか。