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TOPICS 大学院博士課程の倍率が1割を割る

全国の大学院博士課程で2007年度の入学志願者の競争倍率が1倍を割り込んだことが、文部科学省のまとめで分かった。就職難などを背景に「博士離れ」が進んでいるためで、工学系が0.65倍にとどまるなど理数系の低迷が目立つ。「事実上の全入状態で学生の質の維持が難しくなっている」と懸念する声も出ている。

大学院に進学しても修了後の就職率が低迷するなどの展望が不透明として、学生が敬遠していることが背景にある。博士課程修了者の就職率は2006年度は平均58.8%。比較的採用の多い工学系でも59.1%、理学系で53.9%にとどまっており、人文科学は33.0%、社会科学は41.3%とさらに低い。

海外に比べ日本では大学院の学生数が少ないとして、1990年代に10年間で学生数を倍増させる計画を打ち出している。ただ景気の低迷もあって企業側の受け入れは伸び悩んでいる。
中央教育審議会では、「大学院入試が学生の選抜機能を失っている」「入口の倍率がこれだけ低下すれば質の低下を招かないわけがない」といった声や、「定員割れしても大学への交付金を減らさない対策などを導入し質の低い志願者を無理に入れさせないようにすべきだ」などの意見も出ている。「今後大学ごとに置かれた状況も異なっており、どういう対策が取れるか今後検討したい」としている。