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TOPICS 薬学部(志望校)の選択を考える

 高3生は入試を直前に控えています。また高2生の皆さんは志望校選択を進めているのではないでしょうか。志望校選択を失敗しないように取材で聞いたことなどをご紹介します。

 薬系進学の研究室取材や先輩取材などは、編集スタッフが全てインタビューしています。一般的には外部のコピーライターなどに依頼する仕事ですが、薬系進路は自ら取材することで情報を財産にできると考えているのです。
 研究室取材では、学生から生の情報を集めるようにしています。国立大学の学生と話すと「学科選択を間違った」という内容が多いようです。
 創薬研究者をめざして薬学部を選択したある学生は「4年制と6年制の違いがよくわかりませんでした。6年制は薬剤師国家資格が取れるので得かなと思って学科選択しました。しかし薬学部で学んでみると、研究者採用は大学院修士課程修了者を対象とする会社が多いようです。あきらめず実験を続け、実務実習が終わると研究室に戻って実験して研究者をめざします」と話していました。

 そこで6年制の学生に研究者のチャンスがないか、製薬メーカー各社にアンケートをお願いしました。アンケートには、日本を代表する製薬企業が答えていますが、社名は伏せる約束です。アンケート結果は下のURLをご覧ください。
 このアンケート結果から多くの製薬企業が6年制薬学科の出身者を「修士待遇」としていることが分かります。ただし給与などの待遇面が「修士待遇」ということです。
 研究職としての採用は「考慮中」という会社が多いのですが、それらの会社の担当者と直接話しをすると「研究者としての採用を考えていない」というケースもあります。
 多くの会社の考えは、「4+2の学生は、学部4年次の1年間を卒業研究にあてる。さらに大学院(修士課程)では朝から晩まで実験に没頭し研究成果を求め、それを修士論文に仕上げる作業を行う。また大学院生は学部生の指導も担当するため人間的な成長も期待できる。6年制は薬剤師をめざす教育であり、6年間学ぶのは臨床実習を充実させるため。4年制の学生と比較すると、6年制出身者の実験・研究力に疑問がある」といいます。

 中には6年制出身者も研究職採用の対象とするという会社もあります。
 「薬剤師免許を持つ研究者の存在・魅力は捨がたい」という会社。
 「個人の努力で大学院修士課程の学生と同等の実験量をこなしている学生もおり、そのような方の努力を評価したい」
 これらの考えをもつ企業です。「6年制に進んだが研究者をめざしている」という学生には朗報でしょう。

 では大学の教育内容はどうでしょう。6年制課程の学生にも研究をさせる大学があります。
 国立大学は低年次から実験を行う大学が多いようです。
 また私立大学でも東京薬科大学や京都薬科大学は研究力を重視し、3・4年の低年次から研究活動を行います。研究室に早期配属することで、実務実習で失う実験の時間を補っています。これらの大学は、薬剤師職だけでなく、企業の研究職や臨床開発職などへの可能性が広がるため、卒業時の進路選択の幅が広がります。
 また薬剤師の業務を行う上で実験・研究を経験することは無駄ではありません。薬剤師は、臨床で唯一の科学者ですから、科学的な分析・証明・文書作成能力、そして研究力は薬剤師の仕事に生きます。さらに病院薬剤師となって、専門薬剤師・認定薬剤師をめざすときには研究論報が求められます。研究力を身につけることは薬剤師としての将来にも役立つことです。
 大学選びの参考にして下さい。

薬系進学編集長


http://yakkei.jp/contents/links/6taigu.pdf