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TOPICS 志望校選択 創薬研究者になるには―生命科学

 生命科学部は新しい学問分野ですが、医学・薬学・農学・理学・工学などの学問領域がオーバーラップする分野です。そして学ぶ内容や研究、将来の進路などは源となる学問の影響を強く受けています。そのため、各大学で進路の傾向などが違います。

 生命科学部で最も古いのは東京薬科大学生命科学部です。東京大学(農学)から学部長に水島先生を迎えてスタートしました。教授には好熱菌の研究で知られる大島泰郎先生、脳機能の化視可研究の工藤佳久先生などの強力な教授陣でした(いずれも定年退職)。当初、生命科学部は新しい学問分野で就職が心配されました。しかし東京薬科大学の生命科学部ということで製薬業界との結びつきが強く、製薬会社への就職を中心に食品、化粧品などへ幅広く進出しています。

 東京農工大学の生命工学科も生命科学の一分野です。学問のベースが工学部にあるためバイオセンサーの開発や船底にフジツボがつきにくくする研究など工業分野への応用が多くなります。ずいぶん前になりますが、JR総研に就職した卒業生は超伝導が生命体に与える影響を研究していました。将来リニアモーターカーが実用化される前に超伝導が生体に与える影響について調べる研究。これはショウジョウバエを使った実験です。

 また東京薬科大学では、薬学部とは異なる進路も見られます。たとえば環境や情報サービス、食品分析、教育、出版などの分野です。大学院への進学率が高いのも特色。東京大学や東京医科歯科大学をはじめ筑波大学、東京工業大学などの大学院に進学し、全体の約60%が進学者だそうです。
 生命科学といっても、医学、農学など源となる学問領域が異なり、就職はそれら母体となっている学部の影響を受けていると考えられます。
 テーマにしている創薬研究に限ると、医学系、農学系、獣医学系、薬学系を母体とする研究室(大学院)は可能性が高いのかも知れません。しかも医薬に通じる研究をしていなければなりません。
 15~20年くらい前であれば、DNAをとることが研究の第一線だったかも知れませんが、今では学部生でもDNAを扱う時代です。微生物を扱っているという程度では、研究者の就職では競争にならないでしょう。
 「将来、自分は何がしたいのか」、「卒業生たちの就職実績と内容」などを判断基準に学部選びをするといいのではないでしょうか。