学長・薬学部長・教授を紹介

東京大学大学院薬学系研究科 研究科長 一條 秀憲 先生

世界の最先端に触れる研究環境。東京大学病院と連携した薬剤師教育も特色。

薬学部の進学(進級)状況を教えてください

 東京大学薬学部は、生物・有機・物理・医療の4領域を融合した教育・研究が特色です。薬学に興味がある皆さんは駒場(前期課程)で生命科学の基礎知識を吸収しておいてください。薬学部教員も1~2年次の総合科目などの教育を担当しますので、前期課程においても薬学との接点があります。
 3年次の学部進学選択で薬学部は、成績上位者が進級する人気学部になっています。

薬学部の特色を教えてください

 薬学部での学びは、化学、生物、物理化学や医療系薬学を基礎とし、ライフサイエンスを理解するのにベストの複合学問領域です。しかも将来に役立つ学問であり、未知の生命現象などを解き明かすことができる興味深い学問領域です。3年次、薬学部に入ると午前の講義、午後の実習という学部教育を受けます。薬学部には学部4年制の「薬科学科」と学部6年制の「薬学科」があります。4年次はどちらの学科も研究室に配属になり研究活動を行います。薬学部は研究室間の交流が活発で、共同研究も積極的に行うなど理想的な環境を構成しています。

4年制の薬学教育の特色を教えてください

 東京大学薬学部4年制の学科は、大学院進学を前提とした薬学教育・創薬研究を基本にしています。自然科学研究のポイントは積み上げの大切さです。薬学部の90%の学生が4年制の薬科学科で学んでいます。基礎研究を充実し、将来的には製薬会社や大学で研究をめざします。 学部教育では薬学の基礎から高度なレベルまで先人が築いた知識を身につけます。大学院の研究では、誰も手がけたことがない、そしていまだ正解がない問題に取り組み、さらなる積み上げを行います。学生さんは教科書の知識が主ですので、これから教科書に載ること、すなわち世界の最先端がどこにあるのかを知ることが困難です。そこで、私たちがサポートをして研究テーマを決めます。

6年制の薬剤師教育について教えてください

 薬学部定員の10%と学生数は少ないのですが医療薬学教育センターを中心に薬剤師教育にも積極的に取り組んでいます。薬学科の学生さんは最先端の生命科学に基づいた「育薬」を学びます。 東京大学病院の薬剤部長も教授会メンバーとして教育の議論に参加していただき、病院実習も東京大学病院薬剤部で行います。このように東京大学薬学部では臨床現場と密接に連携した教育を実現しています。先生方の熱心な教育のおかげで薬剤師国家試験は4年連続で新卒合格率100%を達成しました。医療系に就職する学生、官庁系に進もうという学生など進路はさまざまです。

大学院教育について教えてください

 薬学系研究科は、真理を解き明かすなど知的好奇心に応えています。欧米の主要な製薬企業では、研究者の90%以上がPh.D(博士号) を取得しますので、海外の研究者と交流する上でも博士の学位取得は重要。博士課程で研究を続ける学生がたくさんいます。
 今、女性研究者を育成する動きが活発になっています。女子学生の皆さんの大学院進学に期待します。
 また国際交流にも力を入れています。国際交流室を通じて欧米の研究室を経験する企画も計画中であり、毎年オックスフォード大学には数名を派遣しています。学生たちは海外の研究活動を体験して自信をつけて戻ってきます。

卒業後の進路について教えてください

 薬学科は研究マインドをもつ薬剤師の養成をめざしますが、大学院で研究を続ける学生がいます。また薬科学科の約95%の学生が大学院に進学します。学外の学生も20-30人程度受け入れます。大学院修士課程の約半数(2018年は42.5%)にあたる40-50人が博士課程に進学します。残る約半数が製薬企業や食品、化粧品などの会社に就職します。
 また、博士課程では約半数が企業に就職し、半数はアカデミアに残ります。2018年の場合は、41.7%の学生が企業の研究職として就職していきました。 学長・薬学部長・教授を紹介