特集

2019.11.18 医療分野とAI

ある病院でがんの治療に免疫チェックポイント薬を処方した患者が副作用を発症しました。
糖尿病を発症した患者は、「がんの治療で入院したのに糖尿病になるのは納得できない」と治療を拒んだといいます。困った医師は、「説得して糖尿病治療を受け入れさせて…」と認定薬剤師に依頼しました。病院で医学・薬学・化学・生物学などの総合的な知識をもち、説明できるのは薬剤師だけだからです。

AIが各分野で活用され、業務内容を変化させています。AIに仕事を奪われるのではないかと心配している人もいるようです。
病院・医療の関連では、画像診断が注目を集めています。
また既存薬の認可領域外の可能性確認、創薬研究や臨床試験への活用など、その活用範囲が広がっています。
病院はどうでしょう。病院業務を見渡すと、施設によって患者を受け入れる診療科が異なり、ベッド数や施設・設備、治療方法、スタッフの人数や技量、採用する医薬品も異なります。病院によって条件が異なればオリジナルのAI制作が必要になります。
また最も大切な患者は、年齢・性別、食生活や喫煙・飲酒の有無などの生活環境、体質や家族性遺伝など一人一人異なります。遺伝子検査などで得たデータを基礎にしなければなりません。
ここまで検査すれば冒頭の患者は糖尿病を発症せずに済みました。

病院のAI化は進めなければなりませんが、全ての業務をAi化することは難しいのではないでしょうか。
個別の病院にあったAIを構築するには費用も生じます。電子カルテの外部委託は多額の費用が必要といいます。AI導入も費用がかかることでしょう。
AIの実現には、医療者各職の知識を集結することになり、薬剤師も医薬品の知識や副作用などの専門知識、医学や生物学、有機化学の知識とITに関する知識が必要になります。
深層部の設計で専門薬剤師、認定薬剤師レベルの力をもつ薬剤師が求められるでしょう。

これからは調剤薬局の薬剤師に対人業務が求められます。どの分野でもいわれることですが、コミュニケーション能力がますます重要になっていくようです。
調剤薬局にAIが導入されて、副作用や相互作用重複投与などの管理ができるようになれば、そのような機械的な業務はコンピュータに任せましょう。薬剤師に求められる対人業務に専念することができるようになるのではないでしょうか。