大学情報

金沢大学医薬保健学域 薬学類 医薬科学類

幕末1867年「加賀藩卯辰山養生所」を ルーツにもつ薬学教育のパイオニア

自然科学1号館

●伝統と実績を基盤に 新たな取り組みに挑戦

  金沢大学医薬保健学域薬学類・創薬科学類は、幕末1867(慶応3)年に加賀藩が開設した卯辰山養生所舎密局がルーツです。責任者は、タカジアスターゼやアドレナリンの発見で有名な高峰譲吉の父・高峰元稑で、医薬品製造や薬剤学、化学、植物学などを指導しました。
 それから153年間、薬学教育と薬学研究の拠点として、人類の健康増進や医薬品創製に関わる数多くの人材と研究成果を輩出。本学はさらなる飛躍を目指して改革を進めています。
 超高齢社会における健康寿命の問題や、がん・認知症など完治が見込めない疾患が存在します。さらに新型コロナウイルスのような新興感染症の脅威など、人類は健康や医療に関わる諸課題に直面しています。本学は、これらの解決に挑戦し、持続可能社会の実現に貢献できる人材を伝統の地から輩出します。
 目標の実現のため、令和3年度から薬学類の規模を拡大して人材養成を多様化します。また創薬科学類をより研究者養成に特化させ、医薬科学類の新設準備を進めています。
※現時点ではあくまで予定です。

○薬学類と医薬科学類は
医薬保健学域に属します

  金沢大学の「学域」は一般にいわれる学部群に相当します。薬学類と医薬科学類は医薬保健学域に属し、医学類と保健学類も同じ学域です。
 医薬保健学域の各学類の学生は、まず共通教育科目を学びます。「金沢大学<グローバル>スタンダード」をもとにしたGS科目で、「自己の立ち位置を知る」、「自己を知り、自己を鍛える」、「考え・価値観を表現する」、「世界とつながる」、「未来の課題に取り組む」の5項目を学びます。  また、学域GS科目の「医薬保健学基礎Ⅰ・Ⅱ」は医薬保健学域の全学類生が一緒に学びます。将来、医療に関わる学生同士が刺激し合い、切磋琢磨します。臨床を目指す人に重要な多職種連携の基礎を築くのに理想的な環境です。
 大学教員や薬学研究者など基礎研究分野をめざす人にも、臨床を肌で感じながら研究できることが大きな魅力です。

学生実習

学生実習

○将来の多彩なキャリア形成意識を育む教育と進路指導

  薬学類は、多様な「薬(くすり)専門人」の養成を目指しています。早期からのキャリア形成のため1年次の「キャリア形成序論」では、健康や医療に関する社会動向や諸課題について自分の意見を醸成します。「キャリア形成概論Ⅰ〜Ⅲ」では、各界で活躍する卒業生等を招く講義が特徴。第一線の様子に触れ、講師とディスカッションしたりスモールグループで話し合う。アクティブラーニングで自分のキャリアプランをイメージしていきます。  本学が重視する「大学教員」や「薬学研究者」の養成のため「薬学研究者入門Ⅰ・Ⅱ」を開講します。次代の薬学教育・研究を担う人材の枯渇は深刻です。そのため早期から研究マインドや研究倫理を醸成。第一線の研究者と触れ合うことで学生は世界レベルの先端研究を目指していきます。
 また、国際性の涵養のために、薬学独自の短期海外留学プログラムを設定しています。
海外短期留学

海外短期留学


○課題研究に取り組みながら
さらにキャリア形成を深化

  全学生は、3年次第2クォーターに研究室配属になります。各分野の先進的な課題研究に取り組んで、問題発見・解決能力を養います。
 また、5年次の実務実習では、実務家教員も関わる薬局実習や、本学附属病院で充実した臨床実習を行うことができます。
 学生個人のキャリアプランの実現に対応した教育にも特色があります。「大学教員」や「薬学研究者」を目指す人には最大限の研究期間を確保しました。学会参加や海外研究室での活動などを推奨して研究能力を高めます。
 一方、主導的薬剤師を目指す人には、アドバンスの「チーム医療実習」を選択することが可能です。「薬学プロ人材」を目指す人は、必要な専門性に合わせて他学類の授業を履修することもできます。

●学科紹介

○薬学類(6年制)
多様な「薬(くすり)専門人」を養成

 薬学類は、健康や医療に関わる諸課題を解決する「薬(くすり)専門人」の養成が基本理念。
 第一に、次代の薬学教育・研究を担う博士(薬学)の学位と薬剤師資格をもつ「大学教員」の養成。製薬企業等で革新的な医薬品の創出に取り組む「薬学研究者」の養成等、薬学高度専門人材の養成を本学類の使命として重視しています。
 第二に、超高齢社会、超過疎化、情報通信技術革新、国際化など時代の急速な変化に対応するため、人類の健康増進や疾病予防・治療に貢献できる医薬品承認審査・安全管理者、保健政策プランナー等、多様な、「薬学プロ人材」を養成します。
 第三に、薬学の知識のみならず多角的な知識・経験に基づいて物事を俯瞰でき,問題解決能力を身に付けた「主導的薬剤師」を養成します。

実務実習

実務実習


○多様な選抜方法

 薬学類では、3つの入学選抜方法を導入します。
 第一に金沢大学薬学類の入学選抜の大きな特徴として、「薬学類・高大院接続入試」を用意しています。この入試は、大学院博士課程までの10年一貫教育を希望する学生を受け入れる選抜方法。入学者は特別プログラムや奨学金等のサポートを受けることができます。
   第二の選抜方式は、一般選抜(前期日程)です。早期からキャリア形成意識や研究マインドを醸成し、自分の将来像をじっくり定めます。
   第三の選抜方式として、本学の特徴である理系一括入試の入学者から、2年次に2名を受入れます。2年次以降は、早期に研究室ローテーションや研究活動をスタートし、主に薬学研究者を目指します。

●薬学類・定員(予定)

一般選抜 53人
高大院接続入試 10人
理系一括 2人

卒業研究

卒業研究


【コース紹介にリンク】

●安定した国家試験合格率

 金沢大学は常に上位の国家試験合格率を誇り、第105回・薬剤師国家試験の新卒合格率も100%(1位)でした。国家資格をもつ「薬(くすり)専門人」として、「大学教員」、「薬学研究者」、「薬学プロ人材」、「主導的薬剤師」の各界の第一線で活躍する人材を輩出するため、国家試験合格率を上位を維持することは不可欠であり、これまでの実績を活かして今後もトップを目指します。

●薬剤師国家試験実績(新卒/合格率)

第100回 35名受験 33名合格 94.28%
第101回 35名受験 34名合格 97.14%
第102回 36名受験 36名合格  100%
第103回 34名受験 34名合格  100%
第104回 36名受験 35名合格 97.22%
第105回 35名受験 35名合格  100%

●医薬科学類(4年制):世界で活躍する創薬科学・生命医科学研究者を養成

 医薬科学類は、次代の先進医療や画期的新薬開発等のイノベーションに寄与する研究者を養成します。この学類には、創薬科学コースと生命医科学コースがあり、1年次は医学と薬学にまたがる専門基礎科目を学び、2年次からコースに分かれて専門分野を学びます。
 創薬科学コースと生命医科学コースの定員は各9名で、一般選抜(前期日程)によりを一括選抜(18名)します。2年進級時に本人の希望、適性、成績等によってコース配属します。コース選択後も、コースの開講科目を相互に履修でき、両コース合同の特別演習や課題研究合同発表会もあり、コース間の交流が続く魅力的な学類です。それぞれ世界で活躍する研究者養成を目標に大学院博士後期課程までの進学を視野に入れた少数精鋭の医薬科学教育が特徴です。

卒業研究

卒業研究


▶︎基礎薬学・創薬科学分野の研究者を養成する創薬科学コース

  創薬科学コースは、医学の基礎的知識も身につけた創薬科学研究者の養成が目標です。体内の様々な現象・反応や薬の化学的・物理化学的性質に関わる知識を学び、画期的な新薬開発に必要な学問分野を学びます。
 3年次の第2クォーターになると、薬学系の研究室に配属され先端的な課題研究に取り組みます。”薬学”は医薬品だけでなく、医薬部外品などの化粧品、食料品、農薬、検査薬の開発など、様々な分野が求める学問です。薬学以外の幅広い分野で研究者として活躍することが可能です。

▶︎基礎医学・生命医科学分野の研究者を養成する生命医科学コース

  生命医科学コースは、薬学の基礎的知識も身につけた生命医科学研究者の養成が目標です。生命医科学研究者の育成を目指し、解剖や生理学、病理学、生化学、遺伝学、免疫学のなど医学・生命医科学領域の学問分野を学びます。
 その上で3年次第2クォーターから、医学系の研究室に配属され、基礎医学・生命医科学に関わる課題研究に取り組み、次代の先進医療に寄与する研究者を育成します。

●医薬科学類の定員(予定)

一般選抜 18人(創薬科学コース9名、生命医科学コース9名)

研究室

研究室


【コース紹介にリンク】

学費・アクセス

●学費

授業料/535,800円(年額) 入学料/282,000円 その他の費用/なし

●アクセス

角間キャンパス
北陸鉄道バス・・金沢駅兼六園口(東口)7番乗り場
93・94・97金沢大学行き(兼六園下経由)
「金沢大学自然研前」、「金沢大学中央」または「金沢大学」下車
【北陸鉄道時刻表】
方面別時刻表No.10をご覧ください。