薬剤師になる

6年制薬学科の教育

 薬学教育は、薬剤師国家試験で出題される試験分野に沿って行われます。6年制の薬学教育はモデル・コアカリキュラムに沿って組み立てられているため学ぶ項目は同じです。
 しかし薬学や医学、科学技術の進展、薬剤師の仕事の変化などを受けて見直しされ、現在は新コア・カリとして再スタートしています。
 2015年の入学生から新しいコア・カリになり、基本的資質と8つの概念が示されています。

●薬剤師に求められる基本的資質」
○薬剤師としての心構え
○患者・生活者本位の視点
○コミュニケーション能力
○チーム医療への参画
○基礎的な科学力
○薬物療法における実践的能力
○地域の保健・医療における実践的能力
○研究能力
○自己研鑽
○教育能力
●薬剤師に求められる8つの概念
○ケア提供者(Caregiver)
○意思決定者(Decision-maker)
○情報提供者(Communicator)
○管理者(Manager)
○生涯学習者(Lifelong learner)
○教育者(Teacher)
○指導者(Leader)
○研究者(Researcher)

各学年の学び


1年次

 薬学を学んでいくうえで必要な基礎科目が配置されています。薬学概論や無機化学、有機化学、生物学など基礎科目は重要な科目です。
 有機化学は国家試験にも通じる大切な科目です。1年次にこれら基礎科目の教育を徹底的に行う大学は安心感があります。

2年次

 専門基礎科目で構成され、専門的な科目が増えます。実習教育も本格化し、化学系実習や生物系実習、物理系実習などに取り組みます。午前は教室で講義、午後は実習という大学が多いでしょう。

3年次

 薬理学や免疫学、医薬品製造学、製剤学など薬学の専門科目を学ぶ学年です。実習教育も実践的な内容になり、座薬や軟膏を作るなど薬学の実習らしくなります。
 4年制と6年制の一括募集をした薬学部の中には、3年次の前期終了時または4年次進級時に学科分けを行うようです。学科分けを成績で行う大学もあるので注意してください。

4年次

 事前実務実習を中心とした学びです。製剤学実習、物理薬剤学実習、生物薬剤学実習などの基礎の上に、OSCEで課される「散剤調製」「水剤調製」「調剤鑑査」「注射剤混合」「患者応対」「服薬指導」に対応した実習を行います。
 4年次の終わりにCBTとOSCEを受験。合格者は、5年次に進級します。
OSCEの評価課題
①散剤調製  ②水剤調製  ③調剤鑑査
④注射剤混合 ⑤患者応対  ⑥服薬指導

5年次~6年次

 実務実習は、病院実習、薬局実習ともそれぞれ2.5ヵ月行います。臨床現場で薬剤師の実務やチーム医療について学ぶことができます。
 大学によって5~6年次のカリキュラムが異なるようです。代表的なものは次の3つでしょう。
①「卒業研究」にあてる
②希望進路に合わせた教育を提供する(アドバンスト教育)
③薬剤師国家試験の準備にあてる
※大阪大学薬学部は、コースにより共用試験・実務実習の実施時期が異なります。

薬剤師国家試験

 6年次の修了時に卒業判定が行われます。原則として卒業要件(成績など)を満たしていれば卒業が認められます。卒業証書を受けた者が薬剤師国家試験の受験資格を得ることになります。
 薬剤師国家試験に合格した受験者に薬剤師免許証が交付され、薬剤師としてのキャリアをスタートさせます。